やりましたー! これ以上ない結果となった全国高校野球選手権大会。全試合、綱脇くんと清水くんの先発・クローザーコンビが見事なピッチングを重ね、シュアなバティングと堅実な守備もあってとうとう埼玉県勢として夏の高校野球の頂点に上りつめた。埼玉県民として感無量この上なし!
花咲徳栄高校そして選手の皆さん おめでとう!!!
それにしても東海大菅生との準決勝戦での追い詰められた場面、ショート岩瀬選手の気迫の守備でサヨナラを防ぎ、デッドヒートの試合を制した時点で決勝戦の勝利が見えたように感じた。広陵高校は準決勝戦で天理を破ったものの平元くんがかなり疲労感を見せていたので、翌日のことでもあり投手力の面で若干優っているように思われたからだが、そのとおりの展開となった。
3回戦を勝ち抜いたあたりで、ひょっとすると・・・と感じていたが、その予想が的中した。なにしろ、ゆったりしたモーションから投じる清水くんの球が最高148キロを示し、コントロールの良いカーブとフォークのコンビネーションも抜群だった。代わった投手がこれだけの能力を有していたらそうそう得点に結びつくものではない。広陵の監督さんが早いうちに綱脇くんを打ち崩し清水くんを引っ張り出したいとコメントを発していたので、それは徳栄にとって悪いことではないと思っていた。清水くんは世界野球大会に追加指名を受けた。当然のことだと思う。綱脇くんがだいたい60~70球といったところまで忍耐強く投げ、清水くんもその程度の投球数。投手がこれほど見事にリレーして優勝したチームは記憶がない。攻撃陣も6試合すべてに9点以上をあげる好調さで、しかもどの選手も万遍なくという見事さだった。
表彰式で左右に並ぶ両チームを見て、180センチ前後の選手が一列に見えた広陵に比べて徳栄は千丸くん、高井くんなど小兵の選手が多く、身体の大きさは譲っていたように感じたが早い回で点を取り、取られたらすぐ取り返すうちに大量点につながり、イニングが進むにつれて守りの面で広陵に流れが向かないままゲームセットを迎えた。
広陵の中村くんという新怪物、ニューヒーローの誕生で決勝戦の興味が全国的にそこに集中したが、徳栄の選手は冷静に試合を進め大量得点で優勝という栄誉をつかんだ。ミットを構える目の前を横切るバットから放たれる打球が、自陣野手の間を次々と抜けていく。長い守りに中村くんも複雑な想いがしていたことだろう。最多本塁打、最多打点、最多塁打の新記録に最多安打のタイ記録というとてつもない個人記録を打ち立てた中村くんをはじめとする広陵ナインにもエールを送ることとしたい。
1日からU-18世界野球大会が始まる。日程の関係で優勝した徳栄からは清水くん一人が追加選抜となり、広陵からは中村くんと平元くんの二人が選抜された。この結果は、徳栄の優勝がスーパースターにたよるチームではなく、チーム一丸となって獲得した栄冠だったことを示すものではないだろうか。
主将に選ばれた清宮くんと中村くんの3・4番コンビが準優勝で終わった前回のリベンジにどう立ち向かうか、投手では最も若い11番を付けることになった清水くんがどんな快投を見せてくれるか。まだまだ高校野球の楽しみはつきない。変則な時間ではあるが、数試合の中継がBSを中心にあるようだ。
また寝られぬ夜が来る。