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No.2903 中国は世界一危険な国

2017.07.17

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 中国という国は改めて言うのもなんだがよくよく問題を内外に起こす国である。ここにきて中国に関するニュースを拾い読みしてみると、中国が世界を蹂躙せんとする世界征服の野望を持った国だと思わずにはいられない。そのためには自国のフリーな言論を統制し、共産思想に基づく国策に逆らう者は、それが個人であれ、国であれその権利を封じ込め、必要とあらば命をも奪う。これほどの人権無視、非民主主義国があるだろうか。人のあり方を説いた孔子も論語も祖国ではまったく無視されている状態である。しかし、世界には目の前に積まれた金に目が眩む国があるというのも現実である。

◇アフリカのジブチに中国の戦艦が寄港可能な軍港が完成した。ジブチとはアデン湾から紅海に入る際にわずか30キロ程度しかないアジアとアフリカの最接部にある国で、紅海の北端は言わずと知れた地中海に抜けるスエズ運河が位置する航海上の要衝である。
 また別の話では中国は約10年前からパナマ運河に敵対する形でニカラグア運河を計画している。ニカラグアはコスタリカを挟んでパナマより北に位置する国で、カリブ海上ではよりアメリカに近い位置関係にある。現在6兆円という巨額な資金問題で頓挫しているという話もあるが、2014年12月に着工式が行われていることから野望は着々と進んでいると思われる。
 九段線によって南シナ海を自国領海と主張するのも狂喜としか言いようがないが、セブンシーズの要衝に巨大権益と軍備を整えんと覇権国家の野心を剥き出しにしている国、それが中国なのだ。

◇尖閣周辺に連日海警局の公船が侵入、一昨日は対馬と沖ノ島沖領海への侵入、昨日は青森県竜飛岬周辺に数時間も領海侵入。いったいどんな目的でこうした違法行為を繰り返しているのか。例によって音沙汰なしだがこれに対する日本の対応は良くも悪くも紳士的である。

◇劉暁波氏の死に関する隠蔽工作は劉氏の妻や兄まで対象とし、厳しい報道統制を敷いている。劉氏の獄中記などの遺品を渡すことを拒み、劉氏の思想精神の拡散を防ぐことに躍起となっている。天安門事件のヒーローであり、ノーベル賞受賞者の劉氏は天安門事件と共に永久に蓋を閉じたい負の歴史ということなのだろう。だいたいノーベル賞受賞に不信感を持ち、本人を出国させない国が他にあるだろうか。
 私は今回の劉氏の死因自体に不信感を抱いている。獄中の食事にヒ素を入れ込むことなどこの国ならやりかねないと。ロシアでも体制批判ジャーナリストに対して同様のことがあったが、思想信仰の自由や体制批判を許さない非民主主義国家ではこうしたことはお手の物だろう。それに比べると日本のマスコミはどうだろう。
 世界からの正義正論のコメントに対し内政干渉だと開き直りの姿勢を示すのもいかにも中国らしいし、いつものことである。他国に対しては意図有りの内政干渉を平気でする国なのに。

◇「中国は一つ思想」は台湾を認めず、認める国には外交・経済上の嫌がらせを徹底し、その割に北朝鮮には甘いのも中国的だ。米韓同盟におけるTHAAD配備に関して韓国に対する観光面での経済的締めつけはかなりのものがある。そもそも香港でも中国共産党政治に対する学生を中心とする民主化運動に香港公安を使って武力を行使する始末なのだ。

 まだまだ中国の覇権主義は枚挙に暇がない。アメリカに世界のリーダーたる精神も迫力も希薄になりつつある今、米中露のせめぎ合いが地球の未来にどういった影響を与えるのだろうか。けっして大げさな話ではないはずだ。