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No.2885 高安、常陸山継承に夢を!

2017.05.28

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 稀勢の里人気で大相撲が連日大入りだ。画面からもその華やかさが伝わってくる。稀勢の里休場の残念なニュースに終盤に来て寂しい感は否めないが高安や玉鷲、宇良といった力士たちが長い幕内の取り組み全体を支えている。
 来場所から新大関が躍動する。茨城県から半年足らずで横綱、大関が誕生するというのもNHKの朝ドラ「ひよっこ」に結びつけて偶然ではない何かの“縁”を感じないではない。
 高安は横綱になれる器と期待するが、流れを大切にして一気に目指してもらいたいものだ。昇進確実の10勝目をあげた日、NHKはフィリピン人のお母さんを呼び寄せるという気の利いた企画を実現した。夢を実現した息子の一番にも静かに見守るお母さんの姿が愛おしく感じられたが、その時まで高安がそうした来歴を持つ苦労人とは知らなかった。だからというわけではないが、高安には是非とも横綱になってほしいという思いが募る。
 そして、個人的希望としては茨城県が生んだ大横綱の名跡を継いで欲しいと思っている。第19代横綱常陸山は明治後期に活躍した力士で角聖と称された人物である。古今十傑にも称えられ相撲人気を高めた相撲中興の祖とも言われる名横綱であった。大関、横綱に昇進を機にしこ名を変えるというのは最近では安馬から日馬富士に改名した例があるが、歌舞伎の世界でも大名跡の披露公演が話題になり客を呼ぶように相撲界もこうしたことは積極的に取り入れるべきではないかと思う。安馬と高安、なぜか安という文字があるのも奇遇といえば奇遇。
 部屋の流れが出羽海系列ということで二所ノ関系の高安が継承することへの壁はあるのかもしれないが、そんなことよりも常陸の国茨城県にこだわって明治時代の四股名を復活させることはファンにアピールすること間違いないと思うがいかがなものだろうか。
 そもそも第72代横綱稀勢の里の誕生が、第35代横綱男女の川以来75年ぶりに誕生した茨城出身の横綱であった。その時も同様のことを思っていたが、残念ながら常陸山というワードにふれたマスコミはなかった。くどいようだが、そうそう滅多にあることではない。高安にそれを期待するのはけっして無理な話ではないし、相撲界のしきたりというハードルを低くして常陸山再興を実現してもらいたいと熱望してやまない。