昨日の早朝からしばらくの時間テレビから目が離せなかった。
松山英樹選手とW・シンプソン選手の4ホールにまたがるプレーオフ。そのワンショットごとにゴルフの醍醐味と難しさに魅了させられた。ともにあと1センチ転がれば優勝というパットがあったが、思わず大声をあげてしまうほどのめり込んでいた。
その後、ニューイングランドとアトランタという東アメリカ勢によるスーパーボール。考えもしなかったペイトリオッツの大逆転優勝に「こんなことあるんだー!」と身が震えた。どちらも勝負の厳しさを超越して、むしろ爽かさを感じた。
同じようにこの朝を過ごした方は多いことと思うが、まさにスポーツが私たちにもたらすものの大きさを実感できた日だ。
このスーパーボールのハーフタイムショーで、レディーガガがこれまた超のつく圧巻のハイパフォーマンスを繰り広げた。好きなタイプのエンターテナーではないが、素晴らしいものに対する称賛を惜しむ必要はない。そして、「私たちの国はけっして分裂はしない」とトランプへの皮肉をしっかりメーッセージに残した。
スポーツは互いにファイナルマッチには死力を尽くすが、戦い終えればノーサイドは当たり前。
ところが、今や大統領としての経験、資質、人格に疑問を持つ人が増幅しているのが実態。ロイターやCNNなどのメディアが事あるごとにアンケト結果が発表するが、どれも1000から1200程度の抽出数によるものだ。
トランプ大統領には、彼の大胆なアメリカファースト改革が他国にどのように影響するだろうか、そして言っていることの矛盾(たとえば為替・貿易など)が、無理強いした結果として表面化した時、どう対処するのかというところに関心をもっていた。いや、あまりにも飛んでいるというか予想のつかない人物だと理解してから、もう少し観察してるしかないとも感じていた。
★スティーブン・バノンの登用
★イエーツク司法長官代理の解任
★オーストラリア首相との電話会談の一方的打ち切り
★メキシコ国境の壁のメキシコ側への対応
★オバマケアの廃止・・・前政権を踏襲しない姿勢
★TPPからの永久脱退
★入国管理規制
そのすべてが、アメリカファ-ストどころか上から目線のオンパレード。これでは8年どころか4年持つかどうか。
スティーブン・バノンはブライトバード・ニュースという極右メディアの会長で、悪名高い白人至上主義秘密結社KKKのメンバーではないかと言われている。もちろん彼の会社はトランプのためにあるようなもので、トランプは他の大手メディアのほとんどを「フェイクで固まったアメリカの敵だ」とツィッターで罵っている。マスコミに全面的に敵対して国民に正しい情報開示ができるだろうか。
もっとも安倍政権も朝日、毎日、東京、TBS、テレビ朝日を始め、その関連にあるメディアの反安倍報道に立ち向かっている。これはなにより日本国民の中道保守的価値観が自民党への信頼感につながっていることが大きいこともあるだろう。
しかし、トランプはまだ真の信頼感を得ているとは言い難い。多くの人が未知との遭遇に直面しているといった状況だ。
今号のタイトルは前者が分裂、分断、分割を意味し、後者は世の多くの事象における多様性を意味している。歴史的にその成り立ちから多様性をもってして世界一の国となったアメリカのはずだが、今、その多様性の一部が一人の人間によって排除されようとしている。待ち受けるものは分断であり、現世の南北戦争的実態がアメリカ国内に広がりつつあるとしたらどうだろう。武器は供しないもののデモ隊による殴り合いは各所で発生している現状なのだ。
今のところトランプに関心する声はあるのかもしれないが耳には入ってこない。
イギリス下院でも訪英時に議会演説はさせないと下院議長が発言している。
連邦裁判所も敵に回すトランプに世界の信頼は集まるのだろうか。
ガガの訴えに耳を貸すようなトランプではないだろうが「アメリカは一つ」が世界のトップリーダーの大前提にあることを理解する時が来るだろうか。