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No.2835 年金法案への民進党の対応に✖

2016.12.24

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 2日の会期延長をして新たな法案が決まった。年金法とギャンブル増加容認法(私語です)。後者は次号で。
 前者は即座に年金が減額されるという国民に対するめくらまし戦術を国会運営に持ち込む民進党の主張に惑わされてはならない。
 民進党が政権時に提案していた年金制度でも、物価が上昇しても賃金が下落した場合、所得比例年金は減額される内容だった。当時、行政改革担当相だった蓮舫氏はこれを理解していないのだろうか。それがどうだろう今回「年金カット法案」とレッテルを貼り撤回を要求した。野党だからといって反対ありきの反対ばかりでは、いくら言葉が巧みであっても国益を損なうことはあきらかではないか。
 年金制度は世界に冠たる制度と言ってよいが、賃金が下落した時に対応させる機動性を持たせなければ維持することは難しいというのが基本的考え方である。
 世界経済の現状はいつリーマンショックの再来があるかわからない。いや、今の世界の政変劇を見ていると長期的な世界不況がいつ発生してもおかしくない。

 今回の法案では、平成33年度以降について賃金が下がった時には年金を減額する仕組みとなった。これが将来の年金原資維持対策とも言える。今は、高齢者への影響を考慮し、物価より賃金が下がったら物価に合わせて年金を減額し、物価が上がり賃金が下がったら年金額はそのままとなっている。これを理解しないと若者世代を思いやる仕組みにならないということである。 

 今回の法案はデフレ状況下での「マクロ経済スライド」を実施することによって将来世代に対する年金水準の低下抑止が考慮されている。民主党時代に同様の主張をしていた民進党のはずなのに、よほど政争が好きなようだ。政争の前に国民生活しかも将来世代にまで目を向けるのが政治の役割だと思うのだが、民進党支援の方々もこの点、ただただ自民嫌悪感にひたるだけでなく、日本の羅針盤を見失わないようにお願いしたいものだ。

 ネットでは「1円たりとも減るのは許せない」といった書き込みも見る。それは理解できないわけではないが、そうした個利的思考が横行していては日本の未来は暗くなるばかりだ。私の身近でも十分な年金を受けていると思われる人が「若い人だとか、将来のことなど関係ない。今を生きている人間のことを大事にしてほしい」という人もいる。ごもっともな話かもしれないが、生活の幅に変化を持たせながら心の余裕を失わない生き方があるのではないだろうか。