トランプ発言がたびたび話題にあがる。当然と言えば当然と考えられるが、それにしても、まだ大統領就任まで40日を残している状況での外交的発言なので、あまり行き過ぎるとややこしい話になりはしないか・・・・いや、すでにややこしくなっているようだ。相手はやはりというか中国である。トランプ氏が台湾の蔡総統と電話したことが気に入らないようだ。
私がトランプカードで最もその方向性に注目しているのは安全保障だ。これは経済分野で中国包囲網を思考するオバマ・安倍コンビが継続されずに米の脱退が現実味を帯びてきたTPP以上に関心がある。
たとえば、対中国では台湾との関係について中国が望む方向とは逆の思考回路をトランプは持っていることがわかった。つまり、中国は台湾も含んで一つの中国だという認識ではないようだということである。これは、李登輝元台湾総統が聞いたら予期せぬ想定外の感激を持つであろうと思われる。なぜなら、親日家として日本の政治経済界から高いリスペクトを受ける李氏であれば、クリントン当選の報を待ちわびていたであろうことは容易に推測出来る。ただし、事はそんなに単純なことではない
しかし、蔡英文氏も気骨のある政治家であることを示すこととなった。それを計算してのことかどうかは不明だが、就任待機状態の次期米大統領に祝いの電話を入れるというのは、大国でない限りそうそうはしないことかと思う。ましてや、独立国としての地位にない台湾であれば尚更のことである。
もっとも、習近平が同様のことをしたというニュースは聞かない。背伸びする中国、自らはいやがる内政干渉を得意とする中国、責任転嫁を得意とする中国、アメリカと対等だと早とちりもいいところの中国、何にでも突っ張る中国・・・人間として素晴らしい人もいるのだが、国家としてみると大きいだけに地球で最もたちの悪い国のように思えてならない。