🃏トランプショックは間違いなく私にもあったが、およそすべてのメディアが伝える内容チェックに目まぐるしい日々だ。
そんなところに「すぐにブログに書くだろうと思ってアクセスしても無言でいるのは枝久保さんらしくないですね」という叱咤激励?のメールをいただくはめになった。
私如き地方政治のはしくれが、国家観以上の世界観に関わる大統領選後の分析をするのはいかがなものかと思いながらも、書き込みを期待?していただく声もあり、やはり感ずるところを書いてみようかと・・・お付き合いください。
♠️よくよく考えてみると、メディアの多くも、アナリストたちにも中東アフリカ問題やグローバル化の歪みが今回の選挙結果にかなりの影響をもたらす可能性を事前に察知する思考が不足していたように思う。それどころか、トランプリスクを憂うあまりのトランプ忌避報道が横行し過ぎたように思えてならない。
と言うのは、あのイギリスのEU離脱を選択した国民投票を思い出すのだ。
キャメロンは強固な自信の上に国民投票に訴え、まさかのどんでん返しを受けた。多くの中東アフリカの貧困移住者がイギリスを希望するほど、移民受け入れに自由度を広げていたイギリスに隠れ不満が多数いたことが示された結果だった。
ギリシャ、スペインの経済破綻によるEU自体の基盤の不安定さや、数度に及ぶ爆破事件がロンドン市民を恐怖に陥れていたことなどもあって、自国を守る排外主義精神を根底とするグレイトブリテン・プライドが首をもたげた。そして、その状況をメディアも見逃していたのではないだろうか。
つまり、巷間伝えられる世論がすべてではないことも、イギリス国民投票は教えていたわけで、それはそのまま米大統領選にも言えることだったと今なら理解出来る。
候補者同士の中傷合戦の醜い選挙戦にあって、オバマもトランプ批判を繰り返した。聴いてる有権者は1年近くも聞かされて嫌にもなろう。うちに秘めた国民感情を軽視したキャメロンの轍をオバマも踏んだとは言えないだろうか。
グレイトブリテンプライドによってグレイトアメリカン魂が揺り起こされたのかも?
♦️いずれにしても、国や地域の事情は個々にあるものの世界中どこで行われる選挙にあっても、従来の選挙通説が通用しないという事実を強く認識させられた。選挙戦術もSNSによる若者誘引など、あきらかに一昔前とは異なっている。なってはならない、なるはずがないといった選挙戦で、その候補が当選する確率がかなり高いこともわかった。なぜなら、なってほしい、なるはずだとする必然性の思いが、逆に安心感に結びつき、投票行動を鈍らせることもあるだろうから。
見たくもないと言っていたトランプが今後頻繁に登場することになった。日本に向けた外交発言は厳しいものがあり、いくら選挙戦用とはいえ、思考の範囲にあるのは間違いない。
しかし、世界最高の権力者が暴言独裁を貫くことがまかり通る世界情勢ではない。冷静沈着に国際協調を進めるために、これから選任する外交、軍事、通商といったいわゆるトランプチームの要人がイエスマンでないことを願いたい。
♣️共和党の経済政策顧問のウィルソン・ロス氏はトランプはTPPに完全反対ではないとしている。
また、ジェリー・マルティネス在日米軍司令官は、誰が大統領でも日米同盟は不変と説いている。
さらに、仏の科学者エマニュエル・トッド氏は、親露反中の外交で実利を得る舵取りをするのではないかと予測する。
反面、元中央情報局長官のジェームズ・ウールジー氏のように、中国主導のAIIBに参加しなかったのは誤りだったという声もある。これによりアメリカが万が一参加をほのめかすとなれば、中国は諸手をあげて歓迎するだろう。となると先進国で不参加なのは日本だけということになる。
♥️世界の経済還流、NATOを含む世界の安全保障に与えるアメリカの影響ははかり知れないものがあるということを、どこまで周囲が政治素人のトランプに教示できるか。
そういう意味において、偉そうに説得することは禁物だが、安部総理がいち早く1週間後にトランプと対談するアポを取り付けたことは評価に値する。
♠️議会が上下院ともに与党多数になったからといってトランプの思うがままにはならないと推測する。共和党の中にもトランプ不支持がかなりいるし、なにより国がこぞって祝福するという大統領選のいつもの姿が見られない異常な事態もある。今、行われているデモを軽く考えると大きなしっぺ返しの可能性もある。
ところが、まだヒラリーの当選の可能性を書くメディアがある。開票の違法性からだが、なんと未練たらしいことか。ことここに至って、アメリカでそのようなことが起こりうるとしたら、アメリカの権威は著しく低下することが理解出来ないのだろうか。
トランプが弾劾裁判にでもかけられて有罪判決が下されたら大統領失脚は有り得る。あとは、トランプが生存している限り4年間は不変であり、万が一があったとしても大統領にはペンス副大統領が指名される。
もはやクリントンの大統領は消滅したことを最低限理解するべきだろう。
♦️ここで民進党の次元の低さにふれておきたい。
TPPは日本が批准しておくことに恥の上塗りと評しているがはたしてそうだろうか。最初の恥とは何を指すのか?
場合によっては、アメリカ抜きで日本が主導する形への変容も視野に入れるもよし、批准は他の参加表明国の信頼にもつながる話なのだ。トランプ当選により日本はTPPをあきらめたというのは、参加国からしたら日本への信頼が揺らぎかねないし、それこそ日本はアメリカの属国なのかという国際批判につながりかねないと私は思う。
熟慮足らずで、ハネカエリの批判が目に余る野党第一党には困ったものだ。最大の支持ブレーンである連合に対して、選挙に口出すなの意思表示を口にした。
蓮舫の高慢さがにじみ出た発言だ。代表としていかにも軽すぎる。
また、同党の小川敏夫参議院議員は「博多の道路陥没には驚いた。アベノミクスで日本の社会の中から壊れて、ある日突然、日本の経済も壊れるんじゃないかと、そんな連想をした。早期の政権奪回を目指して頑張る」と・・・なんと不謹慎な連想をすることか。それを口にまでするのは議員として何かが欠落しているとしか思えない。
世の中の事件はすべて安倍政権の責任であるかのような意図がありあり。自民嫌いの有権者の皆さんも、そろそろ民進党に三下り半を突きつける時期がきたのでは・・・自民嫌いはやむを得ないとしても民進党への判官びいきはいかがなものかと思う今日この頃です。
そもそも、トランプに日米同盟の重要性やアジア地域の安全保障問題をじっくり説明出来る能力は民進党にはないと考えるのが妥当でしょう。
民進党は解体が近いと予測する方がトランプ政治の予測より当たる確率が高いかもしれない。
いや、私は民進党に在籍する議員の中の素晴らしい方々に、自らの信念に基づく議員活動をしていただきたいと思っているのです。10人でも15人でもいいではないですか。今や政党政治の時代を脱皮しようとしているのだから。
♣️ともあれ、日本は憲法改正を含めて真の自立をどう実現していくか、それを日頃以上に強く認識させられた大統領選となった。
代表的なカードゲーム🃏を名前にする新大統領だが、今後どういった外交カードを切ってくるのだろうか。世界の注目はますます高まる。
トランプシアターの幕開けは来年1月20日だ。その後に切られるトランプカードはいったい・・・。
♥️まだまだ思いは募りますが、長くなりましたのでこのあたりで!
乱文乱脈をお許しください。