春到来でパッと明るくとは素直にいかない昨今の社会。スポーツくらいは明るく行こうぜと前号で書いた矢先に「巨人賭博事件」の雲行きがおかしくなってきた。
巨人がチーム内賭け事をしていたというではないか。しかもペナントの試合直前のベンチ前声がけで、試合の勝ち負けにより「声がけ選手対他の選手間」で金が行き交うという代物。言ってみれば胴元と参加者による長半賭博と変わりないと思うが違うだろうか。
だいいち、最終回ツーアウトランナー置いてサヨナラの場面で、巨人攻撃の場合、そのバッターが賭けに参加していたらどうするのか! 三振して負けて懐はあたたかくすることも可能だ。
その逆に、守りの場合は投手は意識的に真ん中に投げるかフォアボールを出してサヨナラ負けを創ることも出来るではないか!
つまり、これは八百長ということになり、スポーツにあるまじき、ゲームの純粋さもへったくりもなくなるのである。
ファン数では圧倒的に№1のはずのスポーツが、そのファンや未来のプロ選手を夢見て白球を追う少年たちを裏切ることにもなるのだ。
コミッショナー事務局もすでに知っていたようだが、金額が少ないから問題にならないと考えていたと説明をしていた。とんでもない! 金銭賭博は額の大小は問題ではない! 賭けていること自体が問題なのだ。ややこしいが、問題の取り違えをしてもらっては困る。
日本初の職業プロ野球球団は、沢村、川上、長島、王、そして松井、由伸と続くスーパースターの系譜もあってプロ野球人気を支えてきた。
私も、長島さんの熱血プレー、松井の豪快パワースイング、由伸の華麗なスイングホームに魅了されて、ここまでの人生、野球とともにあるといってもよいくらいだ。途中、掛布の登場と長島解任、江川事件などで巨人離れをした時期もあったが、プロ野球そのものは巨人無くして成り立たないと思っていた。
しかし、由伸には申し訳ないが、事の成り行き次第では巨人への熱が冷めるやもしれないと感じるほど、今回の事件にはがっかりしている。それでなくとも、球界盟主の座をソフトバンクや大谷くんのいる日ハムに奪われるやもしれぬとの話も出ている状況のだ。
そしてまた、詳細は不明だが同様のことがタイガース、ライオンズでも行われていたとの報道もある。こうなると、この賭けシステムは全球団に蔓延している可能性もあるのかという疑惑の目がわくのも致し方ない。
八百長、虐待で存続さえも危ぶまれた大相撲も、外国人力士に席捲されてきたことが、逆に日本人力士への期待となって、今や人気再燃の状態だ。ただ、今でも見ていて腑抜けな相撲があると感じないでもないが。
ともかく、清原は1人だけの問題だが、大人数参加というのがなんともだらし無さ過ぎる。過去には黒い霧事件やマージャン事件もあった。賭け事が好きなのは派手な世界がゆえと、ストレスからの刺激を求める組織的特性または組織癖といった類が原因ではないかと感じている。
20代で大金が身につくプロの世界の宿命という見方も出来るし、そうしたプロの世界だからこそ人間教育が必要だとも言える。人にもよるが、金銭感覚の麻痺が人間を狂わせるという点では、薬物以上かもしれないのだ。
今回は、参加者全員が今季に限り年棒50%減額、再発選手は追放くらいの処分申し送りをしないと世間に対してしめしがつかないと思うのですが厳しすぎるかでしょうかね?