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No.2601 政治ショーに友好の実益は?  

2015.05.24

 二階俊博・・・・・自由民主党総務会長。普通のおじさんといった親しみやすい風貌の反面、政治的力がさようにあるようには見えないのですが、今では自民党の大物議員として一目おかれる方です。今回、中国訪問に際し、3,000人の同行者を引き連れ、なんと人民大会堂大広間での歓迎の宴には、習近平と一緒にステージに登場するという国賓級の扱い。 

 訪問の目的は日中友好ということで、安倍親書を手渡すなどしっかり任務は果たしているように見えますが、結局のところ、歴史認識に関わる70年談話について歴史認識を歪めることは許されないとか、侵略国家としての過去に反省を求められるなど、一方的な言われように終始した外交訪中だったようです。なぜ3,000人も同行する人がいるのかと思いますが、それだけの旅費、土産代を考えると、ゆうに億単位の経済交流になったことは間違いありません。これにより、さらに二階議員の力が鼓舞されることにもなるでしょう。
 何年か前に同様の政治ショーを実行したのが小沢一郎さんでしたが、あの小沢さんでもたしか600人だったと記憶しています。そういえば、二階さんは、どことなく小沢さんに風貌が似ています。この人の存在が今の自民党に欠かせないということなのでしょうが、どうも私には現内閣にはなじまない何かを感じてしまうのです。もっとも、内閣の中にはいない方ですけどね。
 

 今回の集団訪中が、我が国にとってどれだけの「国益」になるのかという意味で考えると、経済交流以外いかがなものか・・・私は、中国が「いい人」になるとは思えないのです。そもそも、外交というより二階議員支援者の集いもしくは懇親旅行レベル程度のものではないかと感じるのです。県議レベルでも、バス5台から10台程度の支援者の集いは考えられますので、その超大型版という見方もできなくはありません。

 今日も、尖閣諸島付近を航海し、警告を受けると「ここは中国の公海である」とやり返すなど、中国の領海侵犯は連日のことだと言います。毎日のことだと報道も取り上げる気力が失せてくるのは仕方のないところです。
 西沙海域の貴重な珊瑚礁を破壊して、急ピッチで埋め立て作業を進める軍事基地強行造成工事。軍用機離着陸用の3,000mの滑走路がほぼ完成しているようですが、実は潜水艦基地も併用する思惑があるというのです。
 この二つの実効支配により、太平洋海域への軍事拠点ができるわけで、対アメリカを意識していることは間違いのないところです。

 さらには、12兆円の資本金で設立が予定されているアジアインフラ投資銀行(別名:アジアインチキイカサマ銀行とも言うそうです)AIIBは、当初予定を上回る52カ国が集まりました。アメリカ最大の同盟国であるイギリスまでが加わり、英仏独伊がこぞって参加するということになりましたが、本部の北京に幹事はおかず、資本投下などの重要案件決定時には中国の拒否権を可能にするなど、ここでも中国の思うようにことが進められています。まさに中国主導のインチキカサマ銀行になる可能性はあるかもしれません。
 領有権、制空権などを握るためならなりふり構わずのあの手この手です。

 これで、中国との対等な友好関係が保たれていくはずもないと私は思うのですが、如何なものでしょうか。