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No.2556 青淵逸人書

2014.11.06

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寒さへの足取りがとても早い。何となくマスクをする人が多くなったようだ。しかし、子どもたちはショートパンツスタイルが男女問わずまだ多く「寒くないかー」と聞くと、「ぜーんぜん」・・・・だそうだ。これも子どもらしさの源だと考えると、野暮なこと聞いたなと思えてくる。

 さて、幸手市文化祭での我が未熟な書のことにも触れた前号だったが、昨夜、偶然にもあるお宅で写真の額に出会った。掲題はその作者の書名なのだが、まさに渋澤栄一翁の自筆の額であった。
 第一国立銀行、東京証券取引所や、その他日本の発展に関わる多くの企業や学校などを創設し、日本資本主義の父と称される埼玉出身の傑物であることは今更言うまでもないことだが、そういった偉人の書を拝見できるという貴重な体験にこの上ない感動を味わった。
 私はしばらく見つめ続けてしまった後、「写真撮らせていただいていいですか?」と尋ね、そのお許しの元に写真に収めてきたものだ。

ファイル 459-1.jpg なんと優しいタッチの書であろうか。書は人柄が表れると言うが、まさに氏の人柄が偲ばれるものであって、見る者を引き付ける書そのものだ。
 落款の下は、「青淵」という雅号を示すもので、少々薄くなってしまった感じだが、これがあってこそまさに・・・嬉しくてこれ以上の言葉がない。ただ、書の意味が読み解けない。おそらく渋澤翁は幼少期に論語に親しみ、大正期に入ってから「論語と算盤」という書を残しているので、おそらく、そこからの引用と想像する。
 これも素晴らしいものに出会った縁だ。調べてみることにしよう。