先週、大変有意義な視察を県内2か所でおこなった。写真を掲載する関係でそれぞれ号を分けてご紹介したいと思う。
で、15日は圏央道整備推進議連のメンバーで最も急ピッチで工事が行われている桶川地域の現場視察をさせてもらった。
県内、高崎線と国道17号の2か所では、圏央道がアンダーパス化されることは以前にも紹介したと思うが、昨年は高崎線現場を視て、今回は17号のアンダーパス工事を視察した。
ハーモニカ工法という短期集中を目的とした特殊工法は日本の土木工事の先端をいくもので、とくに驚かされたことは、地下を直径2mのシーリングマシーンを4機並べて掘削することで、上部が盛り上がることが多分に予測されるのだが、上部はもちろん交通量の多い国道なので、その盛り上がりを防がなければならない。進む速度を上げれば盛り上がる可能性が高くなり、遅ければ工期短縮がままならない、といったことは素人でも理解できるところだが、なんとその確認精度が10㍉レベルで調整しながら行っているというのだ。
だいたい、私の頭脳構造では、両側から掘削してきたトンネルがどうしてピタリと貫通するのか?と不思議に思うレベルであるから、大工事現場で10㍉以上にならないようにチェックしながら進捗しているというのはサプライズに近いことだ。
さて、続いて視察したのは桶川加納地区の路面工事。ここではバタフライウェッジ工法という、これまで見たことのない工法を確認させたもらった。これも、来年3月の開通を実現するための工期短縮と、資材が約3割節約できるというもの。一言でいえば路面の下部中央は空洞で、側面は厚さ15㎝の特殊コンクリートで立ち上げている。それは左右側面がワンセットで工場で造られ、夜中に特殊車両で運ばれて、数メートルづつセットされ、連結はインターロック方式でつながっていくというもの。路面はその後に防水やら8センチの路面敷設といった内容で進められていくというものだ。
なかなか文字説明でご理解いただくのは難しいとは思うが、幸手地区で見られる側面とはまったく異なる外観となっている。
いずれにしても、従来工法にこだわることなく、常に工法開発を心がけ、新たな技術を展開する日本の建築イノベーションを、こうした視察で確認理解させていただけることは幸せなことだと感じる次第。
利用料金は無料ではないのだが、こうした技術で成り立つ高速道を走れることに対して感謝の念を持つことは無駄なことではないと思う視察であった。