野田首相が在日企業からの献金約427万円を返金したという。小さく取り上げられた今日のニュースだ。
実は、民主党では党を束ねる立場の議員の多くが、在日からの献金を受けている。菅、前原、枝野各氏、そして総理大臣も。前回選挙で民主党の支援組織として自治労、日教組、そして民団の存在があったというのはよく知られた話だ。 それゆえに、タニマチであるこの3者それぞれの主義主張に合わせると、いったいどういうことになるかは明白だ。
たとえば、北朝鮮総書記の額が飾ってある朝鮮学校の授業料無償化を実現したい民主党だが、これを実現すると外交、財政、教育でどういった影響が出るか。また、日本人が日本人としての誇りを持てなくするような自虐教育の原点となっている教科書選択が行われるのはなぜか? わかりやすい例としてあげたが、これらはほんの一例なのだ。
野田さん、党首討論と最後の演説で語気強く、感情高く、ボキャブラリー豊富にまくし立てるように話した。それで民主党の支持率が回復した。しかし、そんな簡単なものではないはずだ。意表をついたとか、野田さんの作戦勝ちとか言う向きもあるが、実際は、近いうち約束と党内クーデターに攻められた「追い込まれ解散」だったと私は感じている。
その後の党の方針に対する「誓約書」方式は、郵政選挙時の小泉流を彷彿とさせる。世襲をとりわけ選挙戦のテーマにしたいようだが、世襲は必ずしも全否定的ではないという論理も少なくないのだ。
野田さんは、これも意表をつきたいのかもしれないが、なぜもっと政策論を全面にだそうとしないのか?
ともかく、強気に発言し、こっそり返却では寂しいですよ。
私は今回の選挙戦ではすべての党に申し上げたい。それは被災地復興に関わる具体的計画がわかりにくいというか、示されていると思えない点だ。これが政権公約のトップであってもおかしくはない。東北3県を中心とする被災地の復興公共事業は待ったなしだったはずだ。まだ具体的復興計画も立てられない被災直後に、国から与えられた予算のうち2800億円も返却するという事態はおかしいと言わざるを得ない。それだけ復旧復興の道筋を甘く考えていたということだ。もっともガレキ処理ひとつとっても、国民感情に潜む嫌悪感が解消できないでいるのだから、助け合いもなにもあったものではない。
翌年までしか繰り越せない特定交付金システムも特例措置を設けることによって出し切り交付金にクリアできないものだろうかと思う。難しい一面があるのかもしれないが、この判断は官僚の役目ということなのだろうか。
政治は難しい!とつくづく思う。