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No.2228 危険領域に突入

2012.09.17

 中国の領土権主張に関する動きは、日本を過去の怨念を背景に仮想敵国においた恒常的愛国心教育の影響もあって、若者主体による反日デモが拡大化し、とうとう暴行略奪という犯罪行為にまで至ってしまった。もとよりヒートアップしやすく、順法精神に甘さを感じる民族性に加え、若者の無軌道ぶりも重なって、歯止めのきかない状況になっている。不思議なのは毛沢東のポスターがデモ隊の中に見られることだ。日頃の屈折した社会への鬱憤も含まれているのは間違いない。

 漢と朝鮮に共通する特性として、エキセントリックで暴発しやすい一面があることは衆目が認めるところである。断っておくが、あくまでも事起こった場合のことであって、素晴らしい感性を有した人たちも沢山いることは疑わない。
 中国ではどこの街に行ってもせわしなく車のクラクションが鳴り響く。「危ないよ!」ならまだわかるが、その音たるや「そこのけ、そこのけ」と聞こえるのだからすごい。ソウル五輪のボクシングで判定に不満をもった韓国側のコーチがリングに入り込んでレフェリーに暴行を働いたシーンは今でも鮮明だ。覚えてらっしゃる方も多いことと思う。五輪という場面でのああした行為は、どんなタイプの日本人でも起こし得ないだろうと確信するがどんなものだろう。

 
 日本人が他国の国旗をこれみよがしに燃やす姿など想像もつかない。ただ、少し残念なこともないではない。先日、ある小学校の運動会に出席した際の国旗掲揚の時、係りによる「場内にいるすべての方は国旗に注目してください」という放送など聞こえないかのように私たちが起立して国旗を見上げている列の前を足を止めずに歩き続け、国旗に背を向けるヤングママや、自前のテントの立ち上げにハンマーの音を鳴らし続けるパパの姿も。愛国心を問う前に非礼、非常識が問われる情景だったと感じたが、読者の皆さんはいかが思われますか。わずか1〜2分程度の祖国を意識し、敬う数少ない機会だと私は思っている。何も両足をきちっと揃えて、背筋を伸ばしてとまでは求めないし、自分もそこまでは意識していないが、気持ちは国旗と国歌は心の中で大事にしている。
 このように基本的愛国心においては大きな差を感じるが、愛国心が他国の国旗どころか人への危害まで加えるとなると、そんなものは愛国心でもなんでもない。愛国心とは人類すべての平和を唱えることを前提に成り立つものと考えるべきではないだろうか。自国さえよければいいというのでは、そもそも国際平和は存在しない。それが中国や韓国、そしてイスラム信奉の人民にはわからない人が多いということか。残念だがそう理解するしかない今回の一連の行為だ。

 イスラムと言えばアメリカも大変だ。アメリカから見た西側では領土領海問題が勃発し、東では反米デモが15ヶ国を越えたという。
 そんな中、パネッタ国防長官が来日したというが、それほど今回の尖閣事件はアメリカにとっても一大事と受け止めていることをうかがわせる。ここでアメリカがバックアップ姿勢を打ち出さずしてなんのための安保かと考えるところだが、1000隻の漁船が日本に向かっているとのニュースに接し、いよいよ危険領域に入ったかと感じる状況だ。このまま上陸されれば、何らかの実効支配の形跡を残されかねない。
 どうする日本政府! 型通りの発言ばかりが目立つ野田首相にこの修羅場を乗り切る術はあるのだろうか。