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No.3718 都知事選

2024.07.08

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 暑い! 静岡で40度と聞いてとくに驚きはないが、就寝時のエアコン温度設定が29度でちょうど良いことにはいささか驚く。しかし、こうした暑さの中で繰り広げられる選挙は、候補者のみならず支援者、運動員にとっても過酷な日々のはずだ。埼玉県の知事選も毎回真夏に行われ、当事者の皆さんの日焼けした姿が、その厳しさを物語るのが常だ。

 さて、昨夜8時の開票時間と同時にテレビが小池候補の当選確実を速報で伝えた。これは、大いに予測出来たことだが、私的には少し早かったなーと。
 とくに小池さんの当選を望んでいたわけでもなく、ならば誰が?という想いがあったわけでもない。一番は、石丸候補がどれほど食い込むか、そして蓮舫候補が知名度をどれほど結果に結び付けることが出来るかといったところに興味関心があった。
🔳小池候補には学歴詐称というイメージがつきまとい、そこを攻める動きが見られたが終盤に向かうにつれ、その話題は消えつつあったように感じる。2期8年も続いた現職の学歴が今更なんなんだということだったのではないだろうか。また、小池都政が絶対無比の盤石な8年だったかと言えば、そうではなかった面も都民は理解しており、それは、都議会で彼女の支援政党や支援議員の評判が必ずしも良好ではなかったことに示されている。しかし、他の大きなマイナス要因については、やはり他県民にはわかりずらい。
🔳蓮舫候補は、現職批判が過ぎた点と、若者に光をあてたいという演説に高齢者が離れたこと。さらに対象にした若者は石丸候補に引き付けられた。私はこれに尽きると思っている。何事も過ぎたるは及ばざるが如しではないだろうか。この暑さでは高齢者は演説会場に行かない。耳にするのはテレビの短いニュースで「若者に光の当たる都政を!」と叫ぶ蓮舫候補だった。加えて、相も変らぬキンキン声で現職と現都政の批判をするエキセントリックな演説手法は聴衆の心に届かなかったということなのだろう。それと応援者の中にも、有権者の好感度が必ずしも高いとは言えない人が常に・・・辻元、福島、石垣といった政権批判を活動の中心とする印象の強い国会議員の顔がならんでいた。
 共産党との連携が響いたという説もあるが、はたしてそうだろうか。過去の都知事選でも宇都宮候補が共産党の支援を取り付けて選挙戦を戦ったが、一定の票は得ていた。どこぞの国のように極左政権が生まれる可能性は日本には無いと思うが、それでも共産党支持層は確実にある。都道府県レベルであれば、左派知事誕生は有り得るのだ。元々、立憲共産党とまで揶揄された経緯があるのだから、敗戦の要因をそこにゆだねるのは無理があるというものだ。

 
🔳石丸候補については、小気味よくベテラン市議に対して「恥を知れ、恥を」と切り込む首長としての姿がネットで拡散され、勇気ある市長という見方が時と共に広がったのではないかと思う。魑魅魍魎、伏魔殿とも言われる政治と議会の世界に立ち向かう姿に映り、それが若い人たちに浸透していったのではないか。学歴・経歴も申し分ない。
 ただ、私の個人的な思いだが、安芸高田市長を途中で投げ出し、都知事選にという流れはいかがなものか。安芸高田市民にすれば議会の問題に切り込んでくれたものの、途中で打ち止めはないだろうにと感じなかっただろうか。それにより、安芸高田市長選と市議補選が行われることにもなったのだから。
 ある意味、石丸さんはネットの申し子だったのかもしれない。私も見ていて、この人は一介の地方の首長で終わらないだろうと感じていた。これからはマスコミからのお誘いが増えることは間違いないものと思うが、すでにサンジャポのコメンテーターの話があるという。橋下さんや泉さんなどと同じ首長経験者が政治を好き勝手に語り、また政治に返り咲くということもあり得るということか。
 ともあれ、石丸さんのような首長が増えないと、地方自治体は進展は望めないのかもしれない。かといって、議会との抗争により対立と分断が続くようでは、首長による改革は進むはずも無い。議会の過半数が首長に対抗する状況下では、何をかいわんや、まさに市民不在となる。たどればたどるほど、議員選挙での私たち有権者の1票をどんな思いで駆使するかにかかっているのではないだろうか。