記事一覧

No.3561 28年ぶりの完全試合

2022.04.11

 これほどのスポーツ万歳はなかなか見つからない。昨年の大谷選手のMVPにも喜悦したが、昨日の佐々木朗希投手の完全試合は28年ぶりという四半世紀を超える快挙であった。残念ながら、ライブで見ることは出来なかったが、深夜にネットダイジェスト版で9イニング27アウトすべてを視聴したが、160キロのストレートは言うに及ばず、カット、スピリット、フォークといったあらゆる球が完璧なコントロールでバッターをなで斬りしていた。
 驚くことに、105球という球数の少なさで19もの三振を奪ったということは、ツースリーのフルカウントになったのが少なかったことになる。1イニング平均11球ちょっとということだから、バッター1人当たり3.8球程度なのだ。
 13連続三振というのも驚異的で、それまでの記録が9というのだからとてつもない記録である。永久に破られることのない記録というのはこういうことを言うのかもしれない。
 なにより、素晴らしいのは佐々木選手が捕手の松川選手を讃えていたことだ。市立和歌山高校という公立高校出でドラフト1位入団したばかりの新人だが、開幕試合で史上3人目となるスタメンでの起用をされ、その落ち着いたリードぶりが報道の対象になっていたものだ。ちなみに、高校で松川選手とコンビを組んでいた小園投手もDNAに1位入団しており、同学年の同校バッテリーが揃って1位ドラフトされたのは史上初めてのことだという。
 20歳の佐々木に18歳の松川という38歳コンビによる完全試合も今後破られるものではないだろう。というか、このコンビは始まったばかりのペナントレースで、また完全試合やノーヒットノーラン試合を実現する可能性すらある。期待感と共に楽しみが何倍にも増幅するのである。

 今日の大谷選手は2塁打を打ったが、開幕して4試合でまだホームランはない。出だしたらと思えばわくわく感が引くことは無いが、佐々木投手のポテンシャルをあまり遅くならないうちにメジャーリーグで見てみたいと思うのは自分だけではないと思う。なにしろ、今のメジャーを見ていると出てくる投手のほとんどが150キロ台の球速を持っている。
 身体の線が細いという理由などがあったようだが、井口監督の英才教育宜しく、3年目で類まれな実力を発揮し始めた佐々木投手。逆に新人で即、しかも捕手という難しいポジションで松川選手をスタメン起用するという監督手腕も完全試合を生む元になっているのだろう。なにしろ、この試合で松川選手は3打点を叩き出してもおり100%の女房役ぶりを発揮している。佐々木投手が讃えるのもわかる話である。
 大谷選手への期待も半端なく膨らんでいるが、NPBにも野球ファンが増えるようなとてつもない逸材が出現したことにたまらない感動をもらっている。これで佐々木投手の登板予定日に地デジででも放映されるほどになれば、野球人気の復活と共にパリーグがセリーグの壁を超えるかもしれない。最近の原采配はジャイアンツファンを落胆させることが多いと感じている。