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No.3555 ロシアの影で中国の狡猾な動向

2022.04.01

 ロシアのウクライナ侵攻は先が見えない様相となってきた。いずれにしても共産主義思想に基づく全体主義国家の独裁指導者が選択する道は、自ら停戦という事にはならないものと思われる。また、それが大方の予想でもある。
 ウクライナをナチ化と称し、聴衆に大嘘を吐くプーチンは、既に国家元首として世界に通用する人格には程遠いという評価しかない。ロシアの侵攻が終わりを迎えた段階で間違いなく戦争犯罪人として裁かれることになるだろう。と考えれば、なりふり構わないプーチンに益々変貌する可能性も高い。そういう意味では、帝政ロシアの復活を意図しているとも言われるプーチンだが、皇帝プーチンへの選択は彼自身の破滅への道にならないとも限らない。
 あくまでも強権政治の元、言論弾圧、思想報道統制、果ては自分の為の法改正といった習近平が歩む道を模倣することになるであろう。そうなる方向に自らが舵を切ってしまった感すらある。中国が民族弾圧による民族絶滅すら思考していると言われるが、そこはプーチンに通じることかどうかはっきりとしたことはわからない。ともかく、中国とは異なる複雑な欧州事情がありそうだ。

 さて、その中国だがソロモン諸島と軍事同盟を締結する可能性が高いとされる。ロシアに世界の目が注がれている間に狡猾な軍拡路線を実行しているのだ。この同盟は既に現実のものになっているともいう。その内容は、ソロモン諸島に軍事的脅威が及んだ場合、ソロモンは中国に軍隊派遣の要請が出来ることが中心になっているようだ。その為に諸島のどこぞに軍事拠点を建設するであろうことは容易に想像できる。はてさて、中国以外にどの国が平和を損ねる軍事侵攻をすると想定しているのだろうか。ミクロネシア連邦のトップは、このソロモンの意向を馬鹿げた考え方として思いとどまるようにとアドバイスしているそうだが、ソロモンが耳を貸さないという。
 オーストラリアの東北数百キロの太平洋上に位置するソロモン諸島を、繰り返しになるが、どこの国が軍事侵攻すると言うのだろうか。南米にも中国マネーが押し寄せる流れは、中国の太平洋進出計画が着実に歩を進め、太平洋そのものが米中分断の真っただ中に置かれることになるのだろうか。であれば、南シナ海で仕掛ける中国優位のシーレーン構想がまた一つ具体化することになると考えるべきかもしれない。
 どう考えても、ソロモン諸島は中国マネーに目がくらんだとしか考えられない。下司な考え方をすれば、こうした途上小国相手ではそのトップに対して直接マネーパワーが及んでいる可能性もあるのではないかと思えてならない。習近平は国内の汚職絶滅に力を入れているというが、外交的には有り得る中国的外交作法かもしれない。
 プーチンしかり、習近平といった大国を牽引する権力者に待っているのは、自国内で権威を誇っても、全世界から尊敬を集めることができなければいずれ瓦解する局面にぶつかるということかもしれない。
 反面、自由主義国家群に言えることは、資本主義に対する批判や異論が高まりつつあることだ。自由主義と資本主義の分かれ道が問われれば問われるほど、コミンテルンがゾンビのように復活することも・・・いや、そうは考えたくはないのだが。日本にはマスコミを中心にそうした思想煽動があることは間違いない。