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No.3548 零下10度の避難生活

2022.03.11

 卒業シーズンを迎え、だいぶ暖かくなってきた。厳しい冬が桜の開花を遅らせるのではと心配されたが、そうでもなさそうな陽気の移り変わりに安堵。
 今朝、スクールガード時にここ数年姿を見なかった鶯のホーホケキョを大中落しの周辺で耳にした。心地良い気持ちでスクールガードから帰ると庭先でヒリヒリの鳴き声。シジュユカラだ。1ヵ月ほど前にメジロが来て以来の野鳥の訪れ。なんてのどかな朝だろうか・・・・と思いはすれど、頭に浮かぶのはやっぱりウクライナである。

 産科病院や幼稚園などがミサイルによる無差別攻撃を受けている惨状を見て、1個の丸い地球の中で人間としての営みを奪われている人々がいることに言いようのない感覚に身震いがおきる。臨月が近い妊婦が爆破で荒れた街を担架で運ばれる光景は異様過ぎる。少年が崩れてきた瓦礫の下で苦しむ姿は重機が来るまで手の施しようがないという。14歳の少女が腕に銃撃を受けてベッドで治療を受けるも、その場所すら安全とはいえないのだ。戦火の子ども達が今後襲われる可能性が高いPTSDはいかばかりか。なりふりかまわない虐殺行為を先導するプーチンを世界は許さない。20世紀のヒトラーに匹敵するテロ殺戮者として21世紀のプーチンは世界史に名を遺すことになる。

 時折雪が舞うウクライナは今朝マイナス10度になる地域があるという。氷点下10°である。インフラを対象に爆破するという、人間とは思えないプーチンによって、暖房も食糧も無い、なにより水が無いという状況にただただ憂うが、日本にあっては憤怒する以外ない。
 主権国家ウクライナの国民が、非道なプーチンロシアによって非武装中立化による傀儡政権国家としてひれ伏すことに抵抗するのは当然のことだろう。そもそも、その時点で中立化ではなくなるのだ。降伏した方がよいというキャスターがいるが、その後に受けるウクライナの悲哀はあきらかで、あまりにも軽い無節操な発言でしかない。この考え方が日本にまん延したらと思うとぞっとする。
 ウクライナにももうすぐ訪れるはずの春・・・誰が感じられようか。それより、爆撃の日々で戦火が広がるウクライナでは、野鳥も怒りの鳴き声を上げるだろうし、ミサイルが飛び交うウクライナには渡り鳥が飛来出来る空などないかもしれないのだ。