数号前に日本の地政的環境が世界でも最も危険な状況下に置かれていることを書いたが、ロシアが隣国の主権国家に侵攻し、無差別殺戮をした現実で、そのリスクが現実のものになる可能性が高くなった。これを否定する日本人がどれほどいるだろうか? 国と私たちの命を誰が、どんな方法で守ってくれるのだろうか。そうした国防という認識で政治的に議論を深めるべきだという声が多くなっているのは間違いない。
ところが、政治の世界でそうした現実を見て見ぬふりをするような発言があることに腹立たしさを感じてならない。本気で言ってるのだろうから暢気なものだ。
■憲法9条があるから日本は他国から攻撃されることは無い。
■防弾チョッキを送ることは武器の供与にあたる。
■どの軍事同盟にも属さない平和を。
■安倍元首相が核兵器の発射ボタンを持つことを主張
最後の内容は捏造も甚だしく、真実は「有事にあっては日本も核を共有することについて議論すべきである」というもので、民主党政権時の岡田元外務大臣も当時同種の内容を発言している。これを核のボタンを押せるという極論を導く得意の手法。これにより市民を欺き、煽動し、ひいては左派思想への誘引を謀ろうとする卑劣な手法でしかない。
防弾チョッキをウクライナに送ることを批判する、いやよく言えるなと思う。本気で言ってるとしたら人道的見地は限りなくゼロに近い。
日本がスイスのような永世中立国宣言をしても中露には何の抑止効果もないということを日本の隣国かつ国連安全保障常任理事国のロシアが世界に示したではないか。第二次大戦終戦直後にロシアは不可侵条約を破って北方領土を持ち去ったままだ。日米安保無用論は間違いなく暴論でしかない。イデオロギーの問題なのでこうした思考を問題視してもやまることは無いだろうが、こうした思考にまみれた層は、ロシアや中国が侵攻してきたら、北朝鮮がミサイルを領土に直撃したらといった想定において、日本はどうあるべきか、国民の命を守るために何をしたらいいと言うのだろうか。ところが、国民が安心する具体策といった点には触れることが無い。おそらく憲法9条を盾にするくらいのことしか言えないだろう。イデオロギーや思想偏重というのは、どっぷりはまってしまうととりこになってしまう傾向にあると理解しているものの、ウクライナの実態を見るにつけ、そんな悠長なことでいいのだろうかと思う。
デンマークでは今回のロシア侵攻を歴史的出来事と判断し、国防費の大幅アップを協議するとし、仏独首脳も軍備増強の必要性を判断したようだ。その他NATO非加盟国の多くがNATO加盟を希望しているという。日本においても防衛力、抑止力を高めるための議論を早期に進めて貰いたいものだ。
私事で恐縮ですが、本日目尻脇縫合部の7針を抜糸しました。多くの皆さまにご心配いただきありがとうございました。