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No.3526 ヒトラー比喩の非常識

2022.02.02

 今日は2022年2月2日で2並び最初の日です。ゼロが入るくらいはいいとしよう。これについては後日のブログでまた。
 さて、2022年の12分の1が早くも過ぎた。めくるめく足早に日が変わることとコロナ禍の行動制限によって、近頃目につき、記憶に残るのは人の死が最も多いように感じる。今年に入って著名人の訃報が矢継ぎ早に伝わってくるが、昨日もご承知の通り石原慎太郎さんが89歳の生涯に幕を降ろした。感想いろいろあるが、これもまた後日ということで。

 掲題の件は、立憲民主党最高顧問で元総理の菅直人その人に関わる内容だが、橋下徹氏と維新の会をヒトラーにたとえて批判した問題についてである。
 菅氏の最近は思考力が鈍っているのかと感じさせることが多いが、今回も、昨年の衆議院選で躍進した維新の会を牽制するつもりで、橋下氏の過激発言に絡めてヒトラーにたとえてしまったのではないか。追ってくる維新の会から有権者の目を変えさせたいと焦ったのだろうか。
 たしかに、橋下氏はテレビに出まくって言いたい放題なのは間違いない。圧倒的にディベート力が長けているのはわかるが、人の話にかぶせたり、引かない話ぶりには聞いているこちらも引ける。それにより、ネットを見る限り橋下信奉者が減っているようだ。しかし、それを政党会派に結び付けることがまず間違っている。会の創設者であり組織的に影響力があるにせよ、今はただの法律顧問に過ぎない。

 
 根本が見えていないと言われるかもしれないが、どう考えても、中道保守と感じる維新の会がヒトラーナチスのイメージにはかぶらない。何を血迷ったか菅氏はこの危険なたとえ話を口にしてしまった。昨日、馬場幹事長が立民まで出向き抗議行動を実践したが、菅氏は「あれは、橋下さんに言ったことだ。お帰りください」とにべもなかった。逢坂同党代表代理が「あれは個人的発言で、党として関係があるとは思っていない」とか発言したそうだがこれも無責任この上ない。政権側の議員が失言した際に、自公側がそう答えたら散々口うるさいのはどこぞの政党かである。こうもぬけぬけとブーメラン発言をしても、普通は子どもでもおかしいと思うものだが・・・。
 個人的に思うことだが、人として組織として民族弾圧、大量虐殺を行ったヤカラにたとえられるほど嫌なことはないだろう。現代でもジェノサイドや領土侵犯を頻繁に繰り返す指導者がいるが、肝心の立民はそうした指導者が率いる国に対するジェノサイド非難決議を渋るし、その国が発しないとは限らない有事への抑止対策を含む憲法審査会をまたまた欠席する怠慢ぶりを発揮している。国民の命を守るなどとは大嘘の政党ではないかと思う。
 そもそもヒトラー比喩を他者に持ち出す資格などないと言える。

 菅氏と言えば、自民党厚労省時代にO157が流行した際、生産地である埼玉県白岡市を訪問して感染源と噂されたカイワレ大根をムシャムシャ食べるパフォーマンスあり、総理時代の福島原発でオロオロしながら出鱈目な恫喝指示をしたこともあった。2日前には、EU委員会に福島第一原発の問題で子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいるとして原発反対アジテートメッセージを届けている。
 5人の総理経験者の共同だが、5人とは菅氏の他に、小泉、鳩山、細川、村山といった御仁である。因果関係も裏付けもない内容であり、福島では風評被害の元を作っていると怒りを隠さない。総理経験者ともあろう人が、科学的根拠を無視した放射能メッセージを発出してよいのだろうか。それとも総理経験者という肩書だから重く受け止められるとでも思ったのだろうか。それは権威主義そのものではないのか。環境大臣はこの内容を即時否定している。
 これは個人の考え方と価値観による思想的行為でしかない。国家を飛び越えて他国に勝手に思想行為を行う元総理たちには困ったものだ。