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No.2204 続:小沢一郎の政治とはナニ?

2012.07.11

まだまだ今日の暑さは猛暑への入り口?程度にメモリーしておかないと、これからの夏本番には太刀打ちできないと自戒していますが、それにしても暑いですね。
 残念ながら、ベビーパンダが肺炎で死んでしまったニュースに落ち込んでいる方も多いことと思います。なぜ、パンダの赤ちゃんはあれほど小さいんでしょうか。親子の対比からして、まるで未熟で生み落しているようで他の四足哺乳類との違いが際立っています。しかもお産自体が貴重なのに、母性愛の少なさも特徴的です。かわいそうなことをしました。合掌。

 さて、新しく生まれた小沢新党はいかなるものか。今日、新党発足で党名も発表されることになっている。まさかパンダのようなことにはならないと思うが、1期生の多いグループゆえ次期選挙でどれほどの数が生き残るものやら。

 「国民の生活が第一」このフレーズにしらけたムードが漂うのは気のせいだけではない。2年半前の総選挙で民主党のマニフェストを構築し、まんまと有権者の気を引いた立役者は選挙総括責任者だった小沢氏だ。
 選挙戦にあっては、駅立ち、辻立ち、国道沿いのポスター乱貼り等々、徹底した顔見世かつ同情誘因戦略とでも呼称したくなるような方法でチュルドレンを厳しく指導した小沢氏。それはまるで政策や人物観などには有権者が価値観を求めないと決めてかかっているかのようだった。いま、離党後の小沢氏の発言も有権者を馬鹿にしているのか!と言いたくなるような内容だ。
 もっとも、最近の選挙、とくに選挙エリアの小さい地方の選挙でも実績や人物評価など関係なしといった状況は否定できない。

◆子ども手当はどこへいったの?
◆ガソリンの暫定税率廃止はまったく姿もしめさないが?
◆16兆円の埋蔵金はほど遠い結果だったが?
◆後期高齢者医療制度廃止、最低年金保障制度などはどうなった?
 自民党憎悪感情を掻き立て、社民共産支持派が喜ぶマニフェストも並べ、なんでもありの選挙公約。私は、まさに国家予算を手中にする権力掌中のための国民騙しのマニフェストと理解していたが、自民党にお灸をすえるには民主党もありか!といった期待票を見事に獲得した。これが大きかった。
 しかるに、やっぱり「やる!」といったバラマキマニフェストは出来ずじまいで国民への約束をほったらかし。そして「やらない!」といった消費税増税を野田さんがやったら「国民への約束違反だ!」と叫んで、自らをまたまた国民の気を引く美辞麗句の世界の中心に移動させる。増税の前にやることがあるという新党の具体的な政策は、おそらく浮世離れしたものになるだろうと予測している。

 民主党にとって青天の霹靂だったのは、東日本大震災だったはずだ。誰も予期しなかった大災害。これは自民党でも簡単には復興政策を構築することは難しかっただろうと思う。しかし、民主党のそれはあまりにもお粗末だった。
 財政がもともと行き詰まり兆候の中で、政権奪取後2年半経ち、消費税増税論が出てきたことについてはやむを得ない面もあると感じる。マニフェストは絶対ではないという議論は多くの政治家も口にしている。経済自体が政権奪取前のリーマンショックに加え、奪取後に欧州不安が一気に加速するなど、状況が選挙時に比してさらに悪い方向に変わり過ぎたこともある。
 しかし、橋下、河村各氏などは言下に増税志向を大批判。2年半経過して日本の情勢が変わったことを理解しようとしないかのよう。そりゃあ誰だって税金が上がることを喜ぶものはいない。自らに言い聞かせて納得するだけのことだ。自分のためには反対したいが、国の状況を考えると仕方がないか!とまで言い聞かせて。ただし、増税システムは考える必要があると思っている。
 私はバラマキマニこそ今こそ総括が必要だと思っている。離党したからといっても小沢氏の責任はぬぐえない。ましてや、同じようなことを繰り返す懲りない小沢新党が見え隠れすることもある。

 常に政局、権力闘争にあけくれる小沢氏は破壊と創造を繰り返すうちに自らの立ち位置をどんどん左傾化していった。いや、必然的にならざるを得なかった。それもだんだんとはっきりしていった。今回、輿石日教組ととりあえず袂をわかち、社民党にラブコール。これでは国際協調、外交防衛などの国益政策をどうしようというのかまったく見えない。社民党が連立から離脱してからまだ1年半程度しか経っていないのだ。なのに・・・権力のためにはなんでもありだ。
 石原、橋下、渡辺、河村、そして盟友?鳩山各氏との連携模索は水面下で進めようとしている小沢氏の姿が見える。結末は誰にもわからない。
 日本の羅針盤を次期総選挙の結果で握ることになるのは果たして誰か?

 今、小沢氏は一つの後悔をしているかもしれない。若干47歳だったかと思うが、時の自民党幹事長の立場で次期総裁選びの最終決定権を金丸氏から与えられ、宮沢、渡辺美、海部の3氏を個別に面接したことがあった。そのとき、金丸氏から「あんたがやればいい」と言われたが、やんわり断ったとされる小沢氏。この時、今世間をにぎわせているプライベート問題があり、マスコミに発覚、追及されることを避けたかったからだと巷間言われている。
 昔の政治家によくある私生活醜聞に天下取りを断たれたことになるが、意外と小心というか用心深い一面を感じるエピソードだ。震災後、放射能が怖くて東北に出向かなかったという話が本当なら、なんとなく結びつく気もしないではない。