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No.3384 議案質疑と常任委員会

2021.03.04

 1都3県の非常事態宣言が延長されそうな様相だ。個人的にはどこも100、とくに東京がそれを下回ればいいと願っていたが、ここにきて現象ペースが鈍化しているのが気になる。
 欧州ではフランスやフィンランドの複数県でロックダウン、イタリアでは連日数百の単位の死亡者があり、すでにワクチン接種者が145万人に達しているにもかかわらず変異株コロナの感染者が増え、学校のリモート授業が6日から拡大される。
 東京五輪は観戦者を国内だけに絞ることが5者会談で議論されたという。それを聞いただけでなぜかむなしい感覚に見舞われる。そういえば最近、収束という言葉を耳にしなくなった。自助という意味での考え方が人それぞれなのはやむを得ないと思うが、気を許めない!という思いだけは持続しようと肝に命じている。

 今日は執行部提出の議案質疑日。今回は4つの案件を通告した。
 3日前までに質疑通告をするルールや、自分が所属する委員会に付託される分野は、原則質疑出来ないことになっている。委員会で一問一答の質疑が可能だからである。ところが、その大原則を破る例が少なくない。そうしたことが許されるパターンは、「市長にうかがう」という一文を通告の語尾につけることによる。ただ、これを多用するのはあまり進められることではないと感じている。そうは言うものの、次の質疑内容で今回初めてこの手法を使った。
 臨時財政対策債という市債が歳入手法として2001年から導入されたのだが、自治体の税収と地方交付税合わせても賄い切れない状況において、国が後年に元本を交付税で補ってくれるという、簡単に言えばそういう類いの前借り的歳入なのだが、基準財政需要額が算定の基準となっていることから、人口減少が顕著で算定基礎数値が減少する幸手市にとって、前借りした臨時財政対策債の返済が100%補償されるかどうかはわからないという裏事情がある。
 新年度予算では歳入で9億4千万円、歳出で約7億3千万円、差引2億1千万円の新規起債となっている。この入りと出の調整根拠を確認するために本議会質疑をすることとしたが、実は総務常任委員会の付託対象案件なので、私は委員会質疑が出来るので、本議会質疑は控えるべき対象ということになる。それでも、本議会で質疑することを選択したのは、そこに意義があると感じたからである。ご存知の通り、委員会は議会中継されることがない。幸手市の窮乏財政の一端を多くの人に理解していただくには委員会より本議会ということになる。そう考えての特例的質疑であった。

 自治体には財政調整基金という使途万能基金制度があり、これは一般家庭の貯金的性質を持つものである。この理想的基金額は基準財政需要額の15%前後とされている。幸手市の場合、それは20億円程度ということになるが、それが現在は6億円ほどである。そして、新年度予算で2億5千万円取り崩すことが予算化されている。3億5千万円の残高見込みはいかにも心もとない。先の臨時議会ではワクチン接種事業へ約43,000千円繰り入れることが決まったばかりということもある。
 不測の事態発生時に繰り出すという用途が理想的ではあるが、実際は通常の行政運営資金となる。基金額が潤沢であれば財政は冷え込まないが、これがおぼつかないというのが当市の現実である。
 臨時財政対策債は性質的に別の問題もある。それは、市民サービスの当該年度分として起債されるので、土木事業などの建設債や教育債といった後年度未来につながる事業に対する起債とは自ずと異なる。つまり、後年度に償還金が生じる後年度負担借金ということなのでこの乱用乱発には慎重であることが望まれるのだ。
 さて、あと3つの質疑は所属していない建設経済委員会に関わる新年度予算関連の案件。
◆準用河川河床掘削工事 3,400千円について
◆香日向排水機場エンジン熱交換機取替工事 10,800千円について
◆下水道工事請負費 224,845千円について
 これらの詳細は次号でお知らせしたいと思います。

 明日から委員会質疑が始まります。まずは文教常任委員会からで私の所属委員会です。