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No.3338 いじめを考える

2020.10.29

 いじめが全国で61万件。これが過去最高であるという記事が紙面をにぎわしたのが1週間前でした。
◆前年度より68,563件増加(58,701件は小学校)
◆心身に深刻な状態が生じた重大事態は723件で前年の2割増
◆いじめを1件でも確認した学校は82.6%

 埼玉県関連の数値もいろいろあるのですがそれは別の機会にして、実は、ある中学生のいじめ対策に関する論文があります。4年前のものですが、なかなか興味深い分析がされている上に文章力、国語力にもなかなかのものを感じさせるものです。内閣総理大臣賞を受賞したのがわかる気がします。ある首長が紹介していたので、私も同意同感の内容ということで紹介するものです。
ファイル 1255-1.jpg 作者は名前からして女子と思われ、しかも帰国子女ということで、いじめのお国柄の比較も興味を引きます。なにより、いじめの現場で見つめる人たちの存在に問題点を視て、その存在がどうあるべきかを論じています。
 私が感じる点を素直に(自分で言うのもなんですが)示しますと、一つは、タイトルは「いじめストッパーになろう!」とか「イジメストッパーの必要性」としてはどうだったかなあという点、もう一点は、作者自身がいじめストッパーになったり、その必要性を友人に説いたかどうか、その反応はどうだったかまで切り込んでいたら、より深い研究分析論文になったかもしれないと。小中校のいじめは男子より女子に広がっているとする説もあります。そして女子のいじめは男子より陰湿だとも・・・。
 ドイツでは、単に暴力的いじめで単日で終わるという実体験の部分がありますが、女子でもそういう性質のいじめなのだろうか。だとするとお国柄の違いは相当なものがあると感じるのですが・・・。
ともあれ、いじめ問題を基本的人権という表現にまで踏み込み、文章を帰結させていることに驚きもし、同時にこの作者の今に興味がわきます。