鹿児島県出水市で議員間の暴言事件が訴訟問題にまで発展しかねない状況だとか。同じく屋久島町町長が出張の折に格安航空券を利用した差額を我が懐に収めていたとか・・・行政にまつわる不肖な出来事が後を絶ちません。幸手市がよその街のことを言えるのか!と言われますと辛いものがありますが、かくして議会とは住民の信頼を損なうイメージが多々植え付けられて行くようです。真面目に活動している議員の方が圧倒的に多いと思うのですが、政治の世界ばかりは有権者の目には、総じて「悪貨は良貨を駆逐する」という方向にベクトルが向くようです。国会でも県会でも同じことが言えますね。
注目していた上尾市議会。最終日は前号の通り元・現市長と元議長の3人に対する訴訟を旨とする調査報告書が可決されました。現市長は、疑惑本線の議員と職員の忖度事件には直接関わるものではないのですが、責任という意味で過半数を占める反市長派によって無理やり押し付けられたようで、事の重大さにおいては他の二人とは違うものと思われます。
職員の管理不行き届きを認めた上で、職員倫理条例や議員倫理条例をつくり、市民の疑念が起こらないよう正していきたいと発言。その通りだと思います。ただ、ここでまたまた問題になりかねないのは、議員倫理条例の必要性に踏み込んで発言したことです。なぜなら、2017年のゴミ処理指定管理に関わる増収賄事件をきっかけとして、本年6月に職員倫理条例を提出したものの継続審査とされ、次の9月議会で再提出したが再度否決されるといった経緯があります。否決の理由は否決のための論理と感じないでもありませんが、これでは議員倫理条例など制定するには正にハードルが高いことでしょう。それ以前に、市長が議員倫理に踏み込んだ発言をしたことは「市長の議会に対する越権だ」と批判の目に変わる可能性もあります。
市長提出の職員倫理条例の審議がこれですと議員倫理条例はいつ可決するのか。市民のための二元政治が対決姿勢を見せ続けるのは思い出深い街のことゆえ心配でなりません。そもそも議員倫理条例がまだ存在していないのは随分遅いという感じですから。
結果、最終日採決では2019年度決算が不認定、さらに平方幼稚園の閉園を含む私立学校設置条例に関する条例制定といった執行部にとって重い議案が出直しとなった次第です。市民及び街のための議会の在り方としては反面教師の材料となるある街の議会・・・そんな思いがしてなりません。