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No.3198 垂直避難の重要性

2019.10.27

 千葉県では、またまた豪雨災害で大きな被害が出てしまいました。お亡くなりになられた方には慎んで哀悼の意を表しますと同時に、被災者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
  
 それにしても、予報でたびたび大量の雨予報が出ているにもかかわらず、なぜ大きな被害が生じるのか! 災害の詳細から国民一人一人がしっかり災害対策を考慮する必要を教えられます。まずは、地震と豪雨対策は、まったく異なるということを自覚しなければいけません。理解はしているつもりでも、実際避難の必要性が生じるほどになると人間心理は落ち着いた判断を妨げる可能性が高いことも理解しておくべきでしょう。より具体的には、自助・共助・公助の在り方からです。命・財産を護る最大かつ最善、最速のポイントは自助にあるということを!

 千葉には数軒の親類、知人がおりますが聞くところでは、豪雨洪水被害は地形がかなり高い確率で要因になっていると言っても過言ではないようです。木更津の親類の家は、小櫃川が目の前30mほどに位置しています。つい10日ほど前に15号の見舞いで訪れた時の話はブログで紹介しましたが、今回は、一時緊急放流が報じられた亀山ダムの放流が中止になっていなかったらどうなっていたかわからなかったということです。実際に上流の小櫃川は氾濫していたのですから心理的には不安な状態が続いていたということです。道路から少し下がった地点に立つ家は、玄関前に1段しか階段のない建屋ですが、米などが入る倉庫は古い納屋で水をさえぎる状態にはありません。いうなれば、1センチたりとも高床の状態にはなっていません。女性二人の住人の安否を心配するのは当然のこととして、納屋にも影響はなかったというので一安心しました。ところが、これまでにも水に襲われたことはないというのです。科学的根拠はわからないが地形と立地という面によるとしか考えつかないと言います。
 15号の時の停電災害は予想外のことで、考えてみればこれは自助という観点からはずれる災害と考えてもいいでしょうね。いざという時のために発電機をすべての家庭に備えるべきとはとても言えません。強風が、人間社会の生活の高度化を破壊した災害は、まさに電気ショック社会を見せつけらました。

 私が先の19号でとった災害対策としては、雨戸のないガラスを養生テープで補完し、大切と思うものをわずかですが2階に運びました。地震対応においては、2階を重い状態にしておくのは良くないということは頭においています。そして車をいつもと前後逆に駐車し、エグゾーストパイプの口を厳重にカバーをしました。ガレージの地形は奥が高くなっているので、エンジンとマフラーに水が入るのを防ぐためでした。 そして、ハザードマップを確認。私が住む地域の道路標高は8mです。そこから家屋の1階天井までは約3.2m。ということは、万が一のことはあったにせよ、2階にいれば命にかかわる危険は免れるという理解でいいだろうと判断しています。これが、洪水に対する避難の基本だと思います。事実、19号時でも2階にいて難を逃れたという話は数多くありました。
 今回、死者の多くは戸外で亡くなっています。避難中の車の中、家の周りを片付ける作業中に土砂に襲われた例、畑が心配で確認に出た際、濁流に足をすくわれた例等々。実は、豪雨災害で命を奪われる例は、毎回といっていいほどこうしたパターンであり、加えて、裏山から押し流された土砂に家ごと埋まるといった例も多く見られます。
 避難指示が出たからといって、暗い中を10分も20分もかけて避難所に向かうというのは、水があふれ流れる速度を考えると危険度の高いことで、この理解をどれほどの国民がしているでしょうか。
 防災専門用語に垂直避難という言葉があります。2階が水中に沈む地形かどうかはハザードマップから判断し、平屋家屋は勿論、地すべりの可能性もある程度は事前判断が可能ですから、そういった条件下にある家ではより自主判断のタイミングを速めて、より遠くへ避難するのが適切な避難行動と言えます。その際、車を使用すべきかどうかも重要な判断材料となるでしょう。